リスクマネーの巻き戻し

 読者の皆様から色々なご意見を頂戴します。いつもありがとうございます。サボっていた頃はガクッと件数が減りましたが(笑)、毎週数件は頂戴しています。時々ドキッとする深読みのコメントも頂きますし、「なるほど〜!」と現実を教えて頂ける内容もあります。中には「いつも頭の弱い文章をありがとう!」とか、「おまえは馬鹿じゃないの?」などの厳しいコメントも頂戴しますが(^^;)、半分くらいは「頑張れ!」との励みのお言葉を頂きます。ありがたいことです。

 正月休み明けの週末のこと、件の親戚中堅国家公務員(笑、失礼!)と久しぶりに会う機会があり、その四方山話のなかで随分としっかりしたことを言っておりました。

 彼曰くは・・・
「兎に角、社会保障関連費用と地方公務員人件費が高過ぎる。」
「70歳以上の人の話を聞くと、概ね約30万円の年金をもらっているが、節約して生活することで、そのうち数万円を預貯金に回している。大半は我々現役世代より遥かに蓄えのある人達だ。」
「貯金できるほどの年金をもらい、しかもその年金不足額は公債の発行で賄われている。そのため毎年50兆円もの国債を発行するなんて続くはずが無い。」
「公務員OBに至っては恩給などもあるし、大手の半官半民企業OBなどは相当の額をもらっている人もいる。公務員共済も民間に比べると随分と充実している。異常だ。」
☆「年金を2/3にして、地方公務員人件費を30%削減すれば、それだけで約30兆円もの国債発行を節約できる。老人医療負担も少なくとも20%以上へ引き上げるべき。それらを実施した上で消費税を上げ、国庫に余裕が出来たところで、それを民間の産業育成や弱者支援に回さなくてはいけない。もちろんインボイス制度の導入も必要。・・・Etc.」
「このままではいずれ日本の財政は破綻する。」と・・・、
こんなことを言っておりました。
☆印は特に、「おぉ!具体的に言うなぁ〜!」と感心した次第です。
彼自身も、高級官僚や他省庁の待遇などとの差異、天下りの状況などに不満を持っている様子で、まあ、公務員と一口に言っても様々な立場の人がいる訳で、彼のような中間職から見たら、「なんだそれ?」ってものも多々あるようです(苦笑)。

 つまりは、公務員の方々、日本の舵取りをしている方々は何が問題で、何をしなくちゃいけないか・・・良く分かっている訳です。その公務員を束ねる霞が関の上層部はより危機感を持っているはずなのですが、政治家の諸事情や身内の将来(自身も含む)なども考慮すると、本当にやらねばならないことが出来ない。そして政治家が美味しい思いをするなら自分達だって少しくらいは…と考え、ましてや管轄業界への指導を通して癒着が始まれば止めることなど出来ない…OBを批判することになるし、ひいては自身の将来にも深く影響する…。挙句の果てには天下りを受け入れている会社(産業界)の方が発言権を持ってしまう。今に至ってさえ驕りを感じる東電首脳の発言や態度、やっと社長の辞任を発表しただけで幕引きを狙う九州電力など、これらの癒着が目に余ると感じているのは私だけではないと思います。国から利権を与えられているにも関わらず「料金値上げは電力会社の権利だ。」などと、「恥を知れ!」と言いたい。身内の中で自浄作用が働かず、そして誰もが責任を取らない、取らせない、無責任な国家運営。

 自民党時代にこれらの癒着が何十年にも渡って積み重ねられ、自民党自身には既にコントロール不能な状況であることが国民に広く認識されるに至り政権交代に繋がりました。民主党が選ばれたのではなく、自民党が切られたのです。
 国民は良く分かっています。自民党が与党の揚げ足取りだけでは政権に復帰できないことを。まずは過去の過ちを認め、過去の利権と決別する意思をもって斬新な改善策を打ち出し、本気で政権奪取を目論まねばなりません(口先だけではなく)。その本気度が伝わってきたときに次の政権交代に繋がるのでしょう。

 ところで、昨年暮れから2月頃までは金融市場に大きな変化はないだろうと考えていましたが、株式市場は想定していた以上にしっかりしています。昨年後半以降はそれこそ為替次第と言った雰囲気で動いています。今くらいかもうちょっと円安のレベルであれば来年度の企業収益は30%増とのことですから、今年のインデックス予想が8,500円〜11,000円となるのも頷けます。期待して良いのでしょうか?

 先日は海外のファンドマネジャー達と話す機会を持ちましたが、国内の過半のエコノミストやストラテジストの株式市場コメント(2〜3月をボトムに年後半に回復)とはちょっと違った見方を感じました。

 彼らは想像以上にユーロの行方や年後半の景気を気にしており、
「ユーロ主要国の目先の国債消化は余り心配していないが、ギリシャの行方、特に4月以降を最も注視している」
「この1〜3月の一時的な米国の景気回復は想定内」
「主要国の景気回復に自信が無い」
「新興国のソフトランディング→再度の景気回復はあるのか?」
などを話題にしておりました。

 確かに今の景況感が継続し、且つ為替が少なくとも現状レベルを維持するなら2〜3割の業績回復も理解できます。が・・・、為替が円高にならなくとも、日本を取り巻く環境が悪化すれば日本も大きく影響を受けます。
 そんな、なかなか回復しない環境下において、資源価格の上昇や物価上昇、貿易収支の悪化などが重なれば、円安になっても国内企業にメリットは出辛くなります。そうならないうちに財政の健全化と産業育成を並行して進めなければならないのが日本の現状です。

 個人的には、2月〜3月頃に金融市場がユーフォリックになるようなことがあれば、その時こそ慎重にならなければいけないのではないかと感じています。ユーロの行方も、米国の不動産も、日本を含む各国の財政についても、まだ何一つ進展が無いに等しい状況ですから。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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億の近道2012/01/26


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投資情報メールマガジン                   2012/01/26

             イ意 の 近 道

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 将来の資産形成のために個人投資家の方にも機関投資家並以上の情報提供を
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指していただきたいと考えております。各種分析やコラムを参考にして、「億」
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             −本日の目次−
        (本日の担当:街のコンサルタント)

    ◆コラム「リスクマネーの巻き戻し」:街のコンサルタント

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◆コラム「リスクマネーの巻き戻し」

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ありがたいことです。

 正月休み明けの週末のこと、件の親戚中堅国家公務員(笑、失礼!)と久し
ぶりに会う機会があり、その四方山話のなかで随分としっかりしたことを言っ
ておりました。

 彼曰くは・・・
「兎に角、社会保障関連費用と地方公務員人件費が高過ぎる。」
「70歳以上の人の話を聞くと、概ね約30万円の年金をもらっているが、節
約して生活することで、そのうち数万円を預貯金に回している。大半は我々現
役世代より遥かに蓄えのある人達だ。」
「貯金できるほどの年金をもらい、しかもその年金不足額は公債の発行で賄わ
れている。そのため毎年50兆円もの国債を発行するなんて続くはずが無い。」
「公務員OBに至っては恩給などもあるし、大手の半官半民企業OBなどは相
当の額をもらっている人もいる。公務員共済も民間に比べると随分と充実して
いる。異常だ。」
☆「年金を2/3にして、地方公務員人件費を30%削減すれば、それだけで
約30兆円もの国債発行を節約できる。老人医療負担も少なくとも20%以上
へ引き上げるべき。それらを実施した上で消費税を上げ、国庫に余裕が出来た
ところで、それを民間の産業育成や弱者支援に回さなくてはいけない。もちろ
んインボイス制度の導入も必要。・・・Etc.」
「このままではいずれ日本の財政は破綻する。」と・・・、
こんなことを言っておりました。
☆印は特に、「おぉ!具体的に言うなぁ〜!」と感心した次第です。
彼自身も、高級官僚や他省庁の待遇などとの差異、天下りの状況などに不満を
持っている様子で、まあ、公務員と一口に言っても様々な立場の人がいる訳で、
彼のような中間職から見たら、「なんだそれ?」ってものも多々あるようです
(苦笑)。

 つまりは、公務員の方々、日本の舵取りをしている方々は何が問題で、何を
しなくちゃいけないか・・・良く分かっている訳です。その公務員を束ねる霞
が関の上層部はより危機感を持っているはずなのですが、政治家の諸事情や身
内の将来(自身も含む)なども考慮すると、本当にやらねばならないことが出
来ない。そして政治家が美味しい思いをするなら自分達だって少しくらいは…
と考え、ましてや管轄業界への指導を通して癒着が始まれば止めることなど出
来ない…OBを批判することになるし、ひいては自身の将来にも深く影響する
…。挙句の果てには天下りを受け入れている会社(産業界)の方が発言権を持
ってしまう。今に至ってさえ驕りを感じる東電首脳の発言や態度、やっと社長
の辞任を発表しただけで幕引きを狙う九州電力など、これらの癒着が目に余る
と感じているのは私だけではないと思います。国から利権を与えられているに
も関わらず「料金値上げは電力会社の権利だ。」などと、「恥を知れ!」と言
いたい。身内の中で自浄作用が働かず、そして誰もが責任を取らない、取らせ
ない、無責任な国家運営。

 自民党時代にこれらの癒着が何十年にも渡って積み重ねられ、自民党自身に
は既にコントロール不能な状況であることが国民に広く認識されるに至り政権
交代に繋がりました。民主党が選ばれたのではなく、自民党が切られたのです。
 国民は良く分かっています。自民党が与党の揚げ足取りだけでは政権に復帰
できないことを。まずは過去の過ちを認め、過去の利権と決別する意思をもっ
て斬新な改善策を打ち出し、本気で政権奪取を目論まねばなりません(口先だ
けではなく)。その本気度が伝わってきたときに次の政権交代に繋がるのでし
ょう。

 ところで、昨年暮れから2月頃までは金融市場に大きな変化はないだろうと
考えていましたが、株式市場は想定していた以上にしっかりしています。昨年
後半以降はそれこそ為替次第と言った雰囲気で動いています。今くらいかもう
ちょっと円安のレベルであれば来年度の企業収益は30%増とのことですから、
今年のインデックス予想が8,500円〜11,000円となるのも頷けます。
期待して良いのでしょうか?

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のエコノミストやストラテジストの株式市場コメント(2〜3月をボトムに年
後半に回復)とはちょっと違った見方を感じました。

 彼らは想像以上にユーロの行方や年後半の景気を気にしており、
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特に4月以降を最も注視している」
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 確かに今の景況感が継続し、且つ為替が少なくとも現状レベルを維持するな
ら2〜3割の業績回復も理解できます。が・・・、為替が円高にならなくとも、
日本を取り巻く環境が悪化すれば日本も大きく影響を受けます。
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貿易収支の悪化などが重なれば、円安になっても国内企業にメリットは出辛く
なります。そうならないうちに財政の健全化と産業育成を並行して進めなけれ
ばならないのが日本の現状です。

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あれば、その時こそ慎重にならなければいけないのではないかと感じています。
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為替市場動向〜ユーロ売り鎮静化と円売りは基調転換?〜

 大雪など日本各地で寒い日が続いていますが、来週は立春。季節の動きは着々としています。2012年1月、市場は昨年に引き続き欧州債務問題を材料に始まった感がありますが、ここへ来て市場の反応に変化が見られます。

 米系格付け機関がユーロ圏9カ国の国債を格下げ。加えて欧州救済基金であるEFSF債も格下げされました。発表直後は信用不安を懸念したユーロ売り、株売りの反応でユーロ対ドルは安値1.2620台まで、対円で安値97.04までありましたが、格下げはタイミングの問題で以前から織り込まれていたことやユーロ売りポジションが大量に積み上がっていたこともあり下値は限定されました。その後、IMFの融資増額、フランスなどの国債入札が無難に消化されたことなどをきっかけに買戻しが進み対ドル1.30台、対円101円台を回復。対ドルだけでなく、ユーロは対豪ドルなどでキャリートレード(安い金利の通貨売り、より高い金利の通貨買い)も大量に入っていたこともあり巻き戻しも多く入ったと思われます。緊張緩和に伴い格下げ国の国債保証料も一時の高水準から大幅に低下、各国の調達金利も低下しました。
 また、市場の反応もギリシャ国債の債務再編についての投資家との条件交渉の進展の困難さのニュースが流れても冷静になりつつあります。とは言っても、これで欧州債務の問題が収束したと見る向きは少ないでしょう。フランス、イタリー、スペインなどの国債保証料が低下する中、ジャンク級に格下げされたポルトガル国債の保証料は急騰し高止まりしています。もともと経済状況が良くなかったポルトガルが更なる経済停滞の中でどのように債務返済していけるのか、ギリシャ化する可能性はないのか今後注目されます。また、EFSF債が最高格付けから下げられたことも今後のじわじわした影響になりそうです。格下げされたということは、資金調達コストが上がり調達額にも影響するのではないかという懸念もあります。

 さて、昨日IMFは今年の世界の経済成長率の見通しを下方修正。特に欧州については、「穏やかなリセッション」とし、世界経済全体の見通しは「うす暗く」金融情勢は「悪化」としました。そして、日銀の景気判断も下方修正。2011年度の実質GDPは昨年10月時点の+0.3%から−0.4%に大幅下方修正。2012年度も2.0%(昨年10月時点で2.2%)に下方修正され、2013年度は1.5%から1.6%へと上方修正されとはいえ、今年から来年にかけては頭打ちということになります。
 昨年は震災や欧州債務問題などの影響でマイナス成長を余議なくされ今年にかけてV字回復のシナリオではありますが、2013年下向き、その後は消費税上げが計画されている2014年2015年に続きます。消費者物価予想も2012年度+0.1%、2013年度+0.5%程度での想定。ここから見えるのは日本の超低金利が長いトンネルを出るのはまだまだ遠いのだろうということでしょう。
 また、今朝発表された日本の貿易統計速報(通関ベース)では昨年度の貿易収支は2兆4927億円の赤字に。1980年以来31年ぶりとなり、震災やタイ洪水などによる影響が主な原因とされていますが、輸出2.7%減に対して、12%の輸入増にしめるエネルギー輸入が今後も原子力発電の減少の代わりに増えることを想定すると今後も赤字が続く可能性が指摘されています。

 そんな中で年初から動きが少なかった円が対ドル76円台から78円手前まで売られ出し株式市場では円安を好感しての買いという解釈も見られます。材料からすると、ここでトレンド転換するのか?!と思わせられますが、ドル・円相場は一筋縄では行かない難しい通貨ペアだと思います。結構肩すかしを食う傾向があります。ただ、弾みがつくと一直線に動く傾向があります。忘れた頃にトレンド転換があるかもしれません。要ウオッチです。

 今週から来週にかけての注目点の一つに米国のFOMC(24日と25日開催)が今回から参加理事の今後の想定金利を公表することがあります。米国の超低金利の長期化見通しを確認することになるだろうという見方が大勢です。一方、長期金利指標である米国債10年もの超長期の30年もの金利は一部米国経済指標の好転と欧州問題の落ち着きと共に下値固めをしているようにも見えます。質への逃避もあって買われてきた10年金利の1%台はインフレ率なども考慮に入れるとマイナス利回りなので金利上昇しても不思議ではないと思います。金利の下落基調が転換するのか。欧州債務問題とも関係してきますが、こちらも今後の要注目ポイントだと思います。

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

*本号の情報は1月24日のニューヨーク時間の終値レベルをベースにしています。

式町 みどり拝

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億の近道2012/01/25


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              イ意 の 近 道

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             −本日の目次−
          (本日の担当:式町みどり)

  ◆コラム「為替市場動向〜ユーロ売り鎮静化と円売りは基調転換?〜」
       :式町みどり

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◆コラム「為替市場動向〜ユーロ売り鎮静化と円売りは基調転換?〜」

 大雪など日本各地で寒い日が続いていますが、来週は立春。季節の動きは着々
としています。2012年1月、市場は昨年に引き続き欧州債務問題を材料に
始まった感がありますが、ここへ来て市場の反応に変化が見られます。

 米系格付け機関がユーロ圏9カ国の国債を格下げ。加えて欧州救済基金であ
るEFSF債も格下げされました。発表直後は信用不安を懸念したユーロ売り、
株売りの反応でユーロ対ドルは安値1.2620台まで、対円で安値97.0
4までありましたが、格下げはタイミングの問題で以前から織り込まれていた
ことやユーロ売りポジションが大量に積み上がっていたこともあり下値は限定
されました。その後、IMFの融資増額、フランスなどの国債入札が無難に消
化されたことなどをきっかけに買戻しが進み対ドル1.30台、対円101円
台を回復。対ドルだけでなく、ユーロは対豪ドルなどでキャリートレード(安
い金利の通貨売り、より高い金利の通貨買い)も大量に入っていたこともあり
巻き戻しも多く入ったと思われます。緊張緩和に伴い格下げ国の国債保証料も
一時の高水準から大幅に低下、各国の調達金利も低下しました。
 また、市場の反応もギリシャ国債の債務再編についての投資家との条件交渉
の進展の困難さのニュースが流れても冷静になりつつあります。とは言っても、
これで欧州債務の問題が収束したと見る向きは少ないでしょう。フランス、イ
タリー、スペインなどの国債保証料が低下する中、ジャンク級に格下げされた
ポルトガル国債の保証料は急騰し高止まりしています。もともと経済状況が良
くなかったポルトガルが更なる経済停滞の中でどのように債務返済していける
のか、ギリシャ化する可能性はないのか今後注目されます。また、EFSF債
が最高格付けから下げられたことも今後のじわじわした影響になりそうです。
格下げされたということは、資金調達コストが上がり調達額にも影響するので
はないかという懸念もあります。

 さて、昨日IMFは今年の世界の経済成長率の見通しを下方修正。特に欧州
については、「穏やかなリセッション」とし、世界経済全体の見通しは「うす
暗く」金融情勢は「悪化」としました。そして、日銀の景気判断も下方修正。
2011年度の実質GDPは昨年10月時点の+0.3%から−0.4%に大
幅下方修正。2012年度も2.0%(昨年10月時点で2.2%)に下方修
正され、2013年度は1.5%から1.6%へと上方修正されとはいえ、今
年から来年にかけては頭打ちということになります。
 昨年は震災や欧州債務問題などの影響でマイナス成長を余議なくされ今年に
かけてV字回復のシナリオではありますが、2013年下向き、その後は消費
税上げが計画されている2014年2015年に続きます。消費者物価予想も
2012年度+0.1%、2013年度+0.5%程度での想定。ここから見
えるのは日本の超低金利が長いトンネルを出るのはまだまだ遠いのだろうとい
うことでしょう。
 また、今朝発表された日本の貿易統計速報(通関ベース)では昨年度の貿易
収支は2兆4927億円の赤字に。1980年以来31年ぶりとなり、震災や
タイ洪水などによる影響が主な原因とされていますが、輸出2.7%減に対し
て、12%の輸入増にしめるエネルギー輸入が今後も原子力発電の減少の代わ
りに増えることを想定すると今後も赤字が続く可能性が指摘されています。

 そんな中で年初から動きが少なかった円が対ドル76円台から78円手前ま
で売られ出し株式市場では円安を好感しての買いという解釈も見られます。材
料からすると、ここでトレンド転換するのか?!と思わせられますが、ドル・
円相場は一筋縄では行かない難しい通貨ペアだと思います。結構肩すかしを食
う傾向があります。ただ、弾みがつくと一直線に動く傾向があります。忘れた
頃にトレンド転換があるかもしれません。要ウオッチです。

 今週から来週にかけての注目点の一つに米国のFOMC(24日と25日開
催)が今回から参加理事の今後の想定金利を公表することがあります。米国の
超低金利の長期化見通しを確認することになるだろうという見方が大勢です。
一方、長期金利指標である米国債10年もの超長期の30年もの金利は一部米
国経済指標の好転と欧州問題の落ち着きと共に下値固めをしているようにも見
えます。質への逃避もあって買われてきた10年金利の1%台はインフレ率な
ども考慮に入れるとマイナス利回りなので金利上昇しても不思議ではないと思
います。金利の下落基調が転換するのか。欧州債務問題とも関係してきますが、
こちらも今後の要注目ポイントだと思います。

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式町 みどり拝

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反転した日経平均

 海外株高につれて底割れ懸念のあった日経平均が上昇に転じています。大方の予想では日経平均9000円が目先の目標だそうです。
 年初から仙台をはじめとした東北地方などで復興バブルとも言うべき現象が起き、そうしたことをメディアが伝えるものだから復興関連銘柄が人気化したことで市場にもお金の循環ができ始めた格好です。

 浚渫株など収益を伴わない銘柄が期待感だけで理屈抜きで上昇すると収益性を伴う銘柄が極端に割安に見えてきます。リスクマネーが一時的にせよ市場に戻ってきているように感じられるこのところの株式相場。これを反映して指数も反転の動きとなっている訳です。

 そうは言っても一気に株価上昇と言う訳にはいきません。

 それこそ、欧州の債務問題に続き要らん(イラン)問題がどこで本格的に噴き出すのか懸念材料は尽きません。

 堅調なNY株にそろそろ波乱の動きがありそうだとの親愛なるテクニカルアナリストの意見も気になるところです。

 浚渫ならぬ春節で日本に来る中国人観光客がまた復活し春節相場の動きではありますが、早くもここからの波乱を心配するか、思い切ってこの流れにつくのかを考えてみたいところです。

 中国は春節でにぎわっていますが、日本ではこの時期一番寒い時期を迎えています。東京にも4cmの雪が積もりました。とは言え、この寒い時期を超えれば春が待っています。

 この時期、1月後半から2月後半にかけてを啓蟄(けいちつ)と呼びます。つまり、大地が暖まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころを指します。
 日本の株式相場もこれから啓蟄相場が展開されそうな予感がします。

(波野磯平)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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