グローバル投資のポイント(194)

■緊急保証制度から考える中小企業向け融資のコスト■

 2008年秋に導入された緊急保証制度における保証協会の代位弁済額が拡大しています。中小企業庁によると、緊急保証制度による代位弁済額は、制度開始から今年6月までの20カ月累計で2,131億円となっています。緊急保証制度による融資総額は、約20.7兆円ですから、代位弁済率(貸倒率)は1.03%となります。

 緊急保証制度は、2008年10月末に始まった景気対策の一つで、1社あたり2億8千万円を上限に、全国の保証協会が金融機関の中小企業向け融資を100%保証するものです。融資先が破綻した場合、保証協会が債務を全額肩代わりをします。ただ、保証協会が債務を肩代わりしたことで生じた損失は、最終的には国の税金で補填されます。つまり国民が負担することになります。

 緊急保証制度と同じような制度として、過去に「特別保証制度」というものがありました。特別保証制度の際には、融資総額約29兆円に対し、最終的には9.1%にあたる2.6兆円の代位弁済(国民負担)が発生しています。

 緊急保証制度では、元本の返済を猶予する据え置き期間を最長2年まで認めています。制度が開始したのが2008年10月ですから、元本返済の猶予がなくなるのは、今年(2010年)11月からとなります。これを機に、貸し倒れがさらに増えるとの見方もあるようです。仮に、「特別保証制度」と同じ貸倒率まで貸し倒れが増えるとすると、緊急保証制度による代位弁済(国民負担)額は1.9兆円となります。

 日本のマネーストック(旧称マネーサプライ)が増えない理由として、一部の方からは中央銀行(日本銀行)の金融緩和姿勢が弱いため、との指摘が出されています。彼らの指摘によれば、中央銀行が金融緩和の姿勢を強めれば、民間銀行の貸出が増え、結果としてマネーストックも拡大し、デフレから脱却し、景気も良くなるそうです。

 しかし、緊急保証制度の貸し倒れの状況を見る限り、彼らの指摘は、現実味がないことがよくわかります。緊急保証制度の状況は、中小企業に対する融資では貸倒率が高く、融資によって多額の損失が発生する可能性が高いことを示しています。こうした中、仮に中央銀行が金融緩和姿勢を強めても、民間銀行は損失を回避すべく、中小企業への融資を敬遠することを変えようとしないでしょう。

 貸し倒れが発生しても構わないから、中小企業向け融資を拡大すべきだ、という意見も一部にはあります。その場合、必要なことは、中央銀行による金融緩和ではなく、緊急保証制度のように、貸し倒れの損失を国の税金で補填する(国民が損失を負担する)ことを保証すればよいのです。ただ、この方法は、融資という名の下に、国の税金を中小企業に分配すること(ばらまくこと)と経済的には同じことです。

 日本のデフレ脱却策と称して、これまでに実施されたことがない奇異的な施策の実施を主張する方が存在するのは事実です。しかし、こうした方々の主張は、国民負担というコストを(一見)伴わないもののように見せていて、じつは単に税金(国民の負担)を特定のところに分配させているだけのことが多いです。国民負担をさせたいのであれば、国民負担があることを分かりやすい形で明示した上で是非を問うのが、真摯な態度と思われます。

村田雅志(むらた・まさし)
(FXCMジャパン・チーフエコノミスト)

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<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。
2005年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
2009年4月より専修大学客員教授。
2009年6月より現職。

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グローバル投資のポイント(193)

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■危機ではなく好機と捉えてほしいドル安の進展■

 8月18日、日本電産は、米電機大手エマソン・エレクトリック(エマソン)からモーター部門を買収することで合意したと発表しました。エマソンのモーター部門は、洗濯機や食洗機などの家電用や、建物に組み込む空調システム用モーターに強いことで知られています。日本電産はエマソンからモーター部門を買収することで、米国への販路を確保できるほか、これまで着手できなかった大型モーターの分野に進出することになります。

 報道によると、日本電産のM&Aは、国内外で30件目となりますが、買収額は今回が最大です。日本電産が、このタイミングで過去最大の買収を決断したのは、おそらく、ドル安円高の進展でドル建てでの買収力が高まったためと思われます。

 マスコミ報道では、ドル安円高の進展による経済への影響を指摘する声が強まっています。たしかにドル円レートは、一時的とはいえ15年ぶりとなる84円台を記録しましたので、円高による輸出企業の採算悪化が気になるところです。

 しかし、現在のドル円の水準(1ドル85円程度)が、過去の水準と比べて「大きく円高」であるとはいえません。なぜなら、ドル円レートは、物価水準を考慮していない名目値であるほか、対ドルでの評価でしかないからです。仮に過去に比べて「大きく円高」である、といいたいのなら、物価やドル以外の外貨に対する円の価値も考慮すべきと思われます。

 日本銀行は、物価や様々な外貨に対する円レートを示す指標として実質実効為替レートを発表しています。これによると、現在の実質実効為替レートは、ドル円が一時的に79円台を記録した95年4月当時(今から15年前)と比べ3割ほど円安水準にあります。15年前と比べれば、世界各国の物価は上昇していますし、日本の貿易構造も米国中心からアジアへのシフトが進んでいるためです。

 日本の経済成長にとって、円高が好ましいものではないのは理解しますが、だからといって、マスコミが表面的なドル円だけをとりあげ、「大きく円高」だと指摘するのは、やや客観性に欠ける報道のように思えます。また政府や日銀などの当局者を対象に、円高への対応を求める姿勢も疑問に思えます。

 ドル円に限らず為替レートは、自国だけでなく相手国の状況も市場が織り込み決まるものです。日本が他国に比べ非常に強い外交力があれば別でしょうが、現実は全く逆であり、日本が単独で努力しても為替レートを動かすことは限定的と考えるべきです。

 日本経済の成長を望むのであれば、日本電産だけでなく、ドル安円高といった環境変化を好機と捉え、新たなアクションをとる企業を増やすよう考えることでしょう。円高だから当局の助けを借りる、といった発想しかなければ、たとえ円高でなくても、日本の経済成長を期待するのは難しい気がします。

村田雅志(むらた・まさし)
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グローバル投資のポイント(192)

■欧米だけでなく注意すべき日本の景気減速■

 一部報道によると、政府は、来年度の予算編成で、公的年金の受給者に給付 8月11日に発表された6月の機械受注統計では、民間(除く船舶・電力)が、前月比1.6%増と2カ月ぶりのプラスとなりました。しかし、事前予想では、同比5%程度の伸びが期待されていただけに、伸びが強いとはいえません。また7−9月期の見通し調査では、7−9月期の伸びは前期比0.8%増が見込まれていますが、市場関係者の間では、達成できない可能性も指摘されています。

 機械受注統計における民間の伸びは、企業の設備投資マインドを示す指標であり、設備投資の先行指標とされています。このため今回の結果は、日本の設備投資需要が弱いだけでなく、今後の伸びが弱くなることを示唆したものといえます。

 日本の実質GDP成長率は、2009年4−6月期から4四半期連続でプラスとなっており、8月16日に発表される2010年4−6月期も前期比0.6%程度のプラスが見込まれています。しかし、GDPの内訳をみると、成長率の過半は外需(純輸出)によるもので、個人消費や設備投資といった民間需要(民需)は、景気のけん引役になっていません。

 2002年1月から2007年10月までの景気拡大期では、拡大当初は外需が成長率を押し上げましたが、その後、民需が成長率の押し上げに貢献してきました。今回の景気拡大期においても、景気のけん引役が、外需から民需に移り変わること(バトンタッチ)を期待する見方があります。

 しかし、先に述べたように、企業の設備投資の伸びが弱くなる可能性が高まっています。個人消費が拡大する可能性は残されているとはいえ、日本の景気拡大が続くのであれば、当面は外需の伸びに依存せざるをえません。

 外需については、8月10日の米FOMCで示されたように、米国景気に期待するのは難しいだけでなく、足元ではドル円を中心とした円高の進展もあり、環境は厳しくなっています。頼みの綱は中国を始めとする新興国向け輸出となります。

 設備投資がダメでも個人消費に期待することも考えられます。今のところ、賃金が回復傾向にあるため、個人消費も徐々に底堅さが出てきています。しかし、企業が設備投資に慎重になる中、賃金が今のペースで上昇を続けると考えるのは難しそうです。

 内閣府が発表する6月の景気先行指数(CI)は、98.9と前月比0.3ポイントの上昇となりましたが、水準は2010年3月(101.9)をピークに低下傾向となっています。マスコミ報道では、円高の進展や欧米の景気減速懸念を盛んに報道していますが、むしろ日本の景気減速懸念にもっと注意を払う必要があるように思えます。

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グローバル投資のポイント(191)

■年金制度の不信感を高める積立金の取り崩し案■

 一部報道によると、政府は、来年度の予算編成で、公的年金の受給者に給付される基礎年金の財源確保策として、年金積立金の一部を取り崩すことを検討しているようです。

 基礎年金とは、国民年金と呼ばれるもので、20歳から60歳未満の日本国内に住む人(外国籍の人を含む)全員に加入が義務づけられている年金のことです。2008年度まで、基礎年金の給付金の約3分の1は、国の予算(国庫)から充当されていましたが、法律の改正により、昨年度(2009年度)から、国の予算から充当される規模は、給付金の半分(2分の1)に拡大することが決まっています。

 本来、基礎年金への財源は、税金で賄われるべきですが、これといった増税がされていないこともあり、財源のメドがたっていません。国庫の負担割合が2分の1に引き上げられた2009年度(昨年度)と2010年度(今年度)については、財政投融資特別会計の「埋蔵金」を充当することで対応しましたが、2011年度(来年度)の財源の不足分(約2.5兆円)については、何も決まっていません。

 来年度も「埋蔵金」を使えばいいではないか、との声もあるようですが、「埋蔵金」は、他歳出でアテにされていることもあるほか、現実に使える額も残り少ない状況です。増税によって年金の財源とするアイデアは、先の参院選
で民主党の敗因とされるくらいですから、「埋蔵金」以上に検討が避けられているようです。

 そこで、政府(厚生労働省)は、年金の積立金を取り崩し、国の予算に「貸す」形式にすることで財源を確保することを検討しているようです。過去にも、年金の積立金は財政投融資の原資として流用されていたことがありますので、仕組みとして問題はないだろう、というのが政府の見解のようです。

 ただ、仕組みとして問題がないのかもしれませんが、年金積立金は、そもそも、遠い将来の給付のために用意されているものです。年金積立金の将来見通しとして、平成16年に実施された計算(財政再計算)では、国民年金の積立金は2040年まで増加する見通しとなっています。「見通し」ゆえにタイミングがずれることはあったとしても、当初の予定より30年も前から積立金を(事実上)取り崩すようでは、年金制度の持続性に(さらなる)疑義が生じるのは避けられません。

 選挙による選出という仕組みを採用している以上、政治家が選挙民の要望を重視するのは、ある程度、理解できます。また年金積立金が、10年単位の将来に関することだけに、軽率に扱われがちなのも理解できなくはありません。ただ、そうした事情に理解を示し、将来に禍根を残す可能性が高い判断をすることが、本当にすべきことなのかを、政治家だけでなく、我々も真剣に考えるべきだと思われます。

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グローバル投資のポイント(191)

■マネーの固定化を促す日米欧の国債大量発行■

 7月27日付の日本経済新聞(一面)は、「日米欧、国債にマネー滞留」という見出しで、先進国の資金が国債に向かっている様子を報じています。記事によると、日米欧では銀行の貸出残高が減少し、余った資金が国債を中心とした債券市場に流れていると報じられています。たとえば、日本の国内銀行143行の国債保有額(5月末)は138兆円と過去最高を更新しています。また、米国やユーロ圏の銀行が保有する国債保有額も過去最高水準にあります。

 2008年の住宅バブル崩壊を機に、欧米の銀行は、リスク許容範囲が狭くなり、貸出を中心にリスクマネーの提供力が低下しています。現在の経済システムでは、銀行が預金を貸出に回すことでマネーが拡大し、経済発展を促すことが前提とされています。銀行が貸出に消極的になれば、マネーの拡大は阻害されることになります。

 マネーの拡大が阻害されれば、以前のような経済発展を期待することも難しくなり、家計や企業や景気の先行きに対して慎重になります。このため、家計・企業の資金需要は低下し、それが貸出を減らす、という悪循環を形成します。

 こうした悪循環を断ち切るべく、政府は借入(国債発行)を拡大させ、家計や企業の代わりに資金を使うことで経済の拡大を促そうとします。いわゆるケインズ政策です。このおかげで、日米欧の景気が過度に悪化することなく、現在の状況まで持ち直したと評価してよいと思います。

 ただ、今後、家計や企業の資金需要が再び増え、経済活動が民間主導で拡大すると期待するのは、現時点では難しいと思われます。日本は、少子高齢化を背景に潜在成長率が低下する一方で、日本国内でリスクをとっても得られるリターンが少ないと判断する企業が増えています。

 米国の場合、これまで経済を牽引してきた家計の回復が期待できません。米国の家計は、名目GDPと匹敵する負債を抱える一方で、不動産の評価額は住宅価格の下落に伴い低下したままです。米金融機関は、新しい金融規制に備えるべくリスク供与を抑えたままですから、家計は新たに借入を増やすことも難しくなっています。

 ユーロ圏では、金融機関の資本不足問題が残っています。ストレステストにより、大半の金融機関は「問題なし」とされましたが、満期まで保有する予定の国債のリスクは無視するなど、ストレステストの信頼性に疑義が生じています。厳しめにみれば、ユーロ圏の金融機関は、米金融機関と同じようにリスク供与能力が低下しているとみていいでしょう。

 こうした状況の中、政府が取るべき方策は、大まかに二つあります。一つは、民間主導の経済回復がなしとげられるまで、国債発行による歳出拡大を続けること。もう一つは、家計や企業が資金需要を増やすように政府が環境を整備することです。

 国債発行による歳出拡大策を支援する方は、マネーが国債に滞留している状況を正当性の根拠として主張します。しかし、マネーが国債に滞留しているのは、家計や企業の資金需要が弱いためです。資金需要が高まれば、マネーは国債から流出します。

 政府にとっては、家計・企業の資金需要を高めるために歳出を拡大させているのですから、資金需要が高まり、結果としてマネーが国債から流出することは、本来、歓迎すべきことです。しかし、マネーが国債から流出してしまえば、国債価格が低下(国債利回りが上昇)するため、政府は国債発行を維持するために多額のコストを支払う必要が生じます。

 国債発行を維持するコストを支払うためには、歳出を削減したり、増税をする必要があるでしょう。しかし、こうした施策は、国民に支持されないものです。よって、政府としては、歳出削減や増税を回避すべく、家計・企業の資金需要が回復したとしても、国債発行規模をダラダラと増やし続けるのが、短期的には合理的です。

 つまり、国債発行残高は、縮小されることなく、少なくとも維持されると考えることができます。仮にこの考えが正しいのであれば、過去最高水準にある国債発行額の分だけ資金が固定化されることになります。本来、民間活動に使われるべきマネーが、いつまでたっても国債として固定化される図式が続くわけです。

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グローバル投資のポイント(190)

■根本治療にはならない米FRBの追加措置■

 7月21日、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、金融政策に関する半期に一度の議会証言のなかで、米国経済は「異例に不透明な」見通しに直面しているとの認識を示しました。その上で、バーナンキ議長は、FRBが必要に応じて成長支援に向け一段の措置を講じる用意があるとも表明しています。

 最近発表される米国の経済指標は、米国経済の減速を示しています。たとえば、米国経済との連動性が強いとされる非農業部門雇用者数は、6月に12.5万人の減少となりました。また、個人消費の代表的な指標である小売売上高も、6月は前月比0.5%減と、2カ月連続の減少となっています。

 市場関係者の中には、米国経済の回復を期待する声が根強くありますが、バーナンキ議長が米国経済の先行きを慎重に考え、場合によっては一段の措置を講ずる意思を示したことは自然のことと思います。それは単に、最近発表された経済指標が悪化したからではなく、住宅価格の下落による米家計の過剰負債という構造的な問題が、ほとんど改善していないからです。

 米国の家計が保有する負債総額は、2010年3月末時点で14兆ドルもあります。その多くは、住宅を保有するためや、消費を拡大させるために積み上げられたと考えられています。

 一般に、負債の適正水準は、保有する資産や得られる所得に応じて決まるとされています。米家計の場合、保有する資産の多くは住宅や株式ですが、住宅価格の回復ペースは緩慢で、2008年につけた水準を回復できないままです。また、米国の失業率は、依然として9%を超える高い水準にあり、所得も弱いままです。

 家計が保有する資産や所得が弱い状況において、家計が大きな負債を抱えている場合、消費が低迷するのは不思議なことではありません。米国政府による様々な景気刺激策がなくなった途端に、米国の消費が弱くなってきたのは、こうした図式が表面化したためと考えられます。

 バーナンキ議長が、「必要に応じて」としつつも追加措置を講ずる意思を表明したのは、こうした図式を意識しているためと思われます。ただ、つらいところは、いくら中央銀行であるFRBが資産買取などの措置を実施したとしても、家計の過剰負債が直接、減少につながるわけではないことです。今後FRBは、米国景気の悪化とともに、様々な措置を実施するのでしょうが、家計の過剰負債という根本的な部分を解決できるわけではないため、米国経済が短期間で以前のような状態に戻ることは難しいといえるでしょう。

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グローバル投資のポイント(189)

■豪ドル上昇の鍵を握る新興国の株式市場■

 7月8日に発表された6月のオーストラリア(豪)雇用統計によると、就業者数は、前月比4万5,900人増と、事前予想の1万7,500人増を大きく上回る結果となりました。また失業率は、5.1%と1年5カ月ぶりの低水準となりました。

 為替市場では、オーストラリアの雇用環境が大きく改善したことでオーストラリアドル(豪ドル)が買われる展開となりました。たとえば豪ドル円は、豪雇用統計が発表された直後、76.2円台から77円丁度の水準まで一気に上昇し、翌日(7月9日)には77.5円台まで水準を切り上げています。

 豪ドルが買われる背景には、オーストラリア準備銀行(RBA)による利上げ期待の高まりがあります。一般に雇用環境が改善すると、家計(消費者)の購買力が上がるため、物価上昇(インフレ)圧力が高まります。インフレを事前に防ぐには利上げが効果的とされていますので、RBAは利上げをするだろう、と考えることができます。

 現在、オーストラリアの政策金利は4.50%と、日本や米国、ユーロ圏に比べ、高い水準にあります。このため、日本を中心とした先進諸国が、高金利を目当てに豪ドルを買う動きが根強くあります。仮に、RBAが利上げを実施すれば、日米欧とオーストラリアの金利差はさらに広がることになり、オーストラリアの高金利を目当てとした豪ドル買いの動きが強まる可能性が高まります。こうした図式を為替市場は織り込み、豪ドルは上昇したと考えられます。

 RBAが利上げをするのであれば、単に雇用環境が改善するだけでは不十分で、新興国の景気拡大が必要と思われます。オーストラリア経済は、日本と同じように外需主導で拡大することが多く、足元も中国など新興国への資源輸出が景気拡大の礎になっています。仮に新興国の景気が減速するようでは、いずれオーストラリア景気も減速する可能性が高まるでしょう。雇用環境は、景気に遅れて動く傾向にあるため、現在の雇用環境の改善は、長続きしないと考えられます。

 新興国景気の行方については、様々な意見が示されています。先進国の景気減速が本格化すれば、新興国といえども景気減速は避けられないとの見方がある一方で、中国を始めとする新興国のインフラ需要は底堅く、たとえ先進国景気が減速しても、新興国の景気は堅調に推移するとの見方もあります。

 新興国景気の先行きを考える上で有用なのは、新興国の株式市場でしょう。株式市場は、景気に先んじて動く傾向にあり、仮に新興国の株式市場が堅調であれば、新興国景気の減速懸念も低下するでしょう。逆もまた然りです。

 次回のRBA政策金利決定会合は8月3日です。それまでの間、為替市場では、RBAによる利上げ期待の高まり・後退を背景に豪ドルが乱高下することになるでしょう。RBAによる利上げ期待の温度感を測る上では、オーストラリア経済に関する経済指標だけでなく、新興国の株式市場もあわせて考慮に入れる必要があると思われます。

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グローバル投資のポイント(188)


■日本景気の先行き懸念を示した日本株の下落■

 7月1日に発表された日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが2年ぶりにプラスとなりました。業況判断DIは、ゼロが好況・不況の境目と考えられていますので、日銀短観は、日本景気は良い状態にある、ことを示したといえそうです。

 一方で、7月1日の日本株は大きく下落しました。日経平均株価は5日続落し、終値は191.04円安の9191.60円と、年初来安値を更新しました。日本景気が良い状態にあるのなら、日本株が年初来安値を更新するのはおかしい、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 ただ、日銀短観の業況判断DIは、景気の現状を示すのに対し、株価は景気の先行きを示す、と考えられています。それならば、両者の間に乖離が生ずることは、それほど不思議なことではありません。

 業況判断DIがプラスになるまで改善した背景には、新興国向けを中心とした輸出の拡大があります。大企業・製造業の業況判断DIを業種別にみると、自動車、電機といった代表的な輸出産業の改善幅が大きくなっています。いつものことではありますが、今回の日本の景気回復も、輸出の拡大によってもたらされたといえそうです。

 輸出の拡大によってもたらされた景気回復は、設備投資や個人消費の増加につながることで景気拡大が長続きします。しかし、日銀短観の設備投資判断DIや雇用判断DIは、プラスのままですから、企業は、設備や雇用が余っている(過剰感が高い)と判断していることがわかります。これでは、たとえ景気が回復しているとしても、設備投資や個人消費の増加を期待することは難しくなります。

 輸出が増え続ければ、いずれ設備や雇用の過剰感も解消されるという見方もできますが、頼みの輸出には、先行きに対する不透明感が強まっています。為替市場では、円高が進んでいるほか、回復傾向にあった米国景気にも変調の兆しが出てきています。日本株の落ち込みは、景気の先行き懸念を素直に示した結果のように思えます。

村田雅志(むらた・まさし)
(FXCMジャパン・チーフエコノミスト)

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<筆者について>
三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、
UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年にGCIアセットマネジメント入社。
2005年9月にGCIキャピタル・チーフエコノミスト。
2009年4月より専修大学客員教授。
2009年6月より現職。

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グローバル投資のポイント(187)

■応益負担の受け入れ具合を示すであろう次期参院選■

 6月17日、菅首相は参院選マニフェストを発表する記者会見にて、消費税率の引き上げを言及しました。菅首相は、当面の消費税率として「自民党が提案している10%を一つの参考にさせていただく」と述べています。

 今年度の一般会計予算において、国債による収入が歳入総額の48%を占める状況ですから、通常の考え方をすれば、歳出を削減するか、歳入を増やす方策を考えるのが、政権の仕事と思われます。民主党は、鳩山政権発足当時、歳出の無駄をなくすことが先決として、消費税率の引き上げを当面は見送る方針でしたが、国民の多様な声を考慮しようとすると、どうしても歳出削減は難しく、歳入を増やさざるを得ないと判断を変えたのでしょう。

 マスコミなどは、菅首相が当面の消費税率を10%とした根拠が不明確だと批判しています。たしかに菅首相は、「自民党の提案を参考にして」としただけで、消費税率の水準を10%としていますから、根拠があるとはいえません。しかし、学界の議論ならともかく、政治の世界ですから、税率の決め方の根拠を明確にすることは、政治家の本質的な仕事ではないと思われます。むしろ、消費税率で歳入増加を試みることの是非や、歳出削減のあり方に目を向けない姿勢などを批判の対象とすべきでしょう。

 一部政党などからは、消費税率を引き上げるとともに、法人減税を実施しようとしていることに反発する声が上がっています。ただ、現在の日本経済の問題点は、低成長にあるわけで、多少なりとも法人減税を実施することで、付加価値や雇用を創出する法人の活動を刺激付けすることは、筋の悪いこととは思えません。

 消費税率を引き上げることで(いわゆる)庶民感情を損ねることを危惧する政治家も多いようです。しかし、歳出が拡大している背景の一つに社会保障関係費の拡大があります(今年度一般会計予算での社会保障関係費は、前年度当初予算と比べて9.8%(2.4兆円)も増えています)。社会保障関係費のほとんどは、国民がメリットを享受するものですから、応益負担の原則から考えれば、法人税よりも消費税や所得税でカバーするのが自然です。

 来月実施予定の参院選や次期衆院選は、消費税率の引き上げの是非だけではなく、日本国民が応益負担の原則をどこまで許容するかが試されているイベントのような気がします。政府から貰えるものは歓迎するが、負担が増えるのは嫌だ、と考える方が存在することは否定しませんが、多くの方は、得られるメリットに応じて負担する(応益負担)に対して理解を示すのではないでしょうか。

村田雅志(むらた・まさし)
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グローバル投資のポイント(186)

■マネー縮小による景気後退も織り込み始めたユーロの下落■

 最近になって、欧州の銀行においてリスクを回避する姿勢を強めています。銀行が欧州中央銀行(ECB)に預ける翌日物預金残高は、6月10日に3,690億ユーロ(約40兆6,000億円)と、1999年のユーロ導入以来、最大規模となっています。

 欧州の銀行間での資金のやり取りに適用される金利(欧州銀行間取引金利・EURIBOR)は、3カ月物で0.715%と、昨年12月中旬以来の高水準となっています。また1年物は1.269%と、昨年9月以来の高水準となっています。ECBに預ける翌日物預金残高の金利は0.25%ですので、資金に余裕がある銀行であれば、(期間の違いこそあれ)EURIBORで貸付ける動きが強まってもよさそうです。

 ECBの翌日物預金に銀行の資金が集まり、EURIBORが高水準にある理由として、欧州の一部銀行での破綻リスクの高まりが指摘されています。南欧向け債券を大量に保有するスペインの銀行は、南欧向け債券価格の急落(金利の急上昇)によって多額の損失を計上し、破綻の危機にあるとされています。このため、スペインの銀行などは、欧州の他銀行から資金を調達することが難しくなり、資金が余った欧州の他銀行は、ECBに資金を預けているとみられています。

 ECBの翌日物預金残高が積み上がっている別の理由として、昨年7月に実施されたECBの1年物オペが7月1日に満期を迎えることが指摘されています。銀行が返済する規模は4,420億ユーロと規模が大きいため、欧州の銀行は、あらかじめ返済原資をECBに預けている、という考え方です。

 理由がどちらにせよ、銀行の資金が銀行間取引にまわらず、ECBに滞留している状況は、経済成長を抑制させます。資金の供給源となるべき銀行が、銀行にすら資金を融通せず、中央銀行(ECB)に資金を回している状況では、市中に流通する資金量(マネーサプライ)が縮小し、経済活動が萎縮する可能性が高まるからです。

 ユーロ圏のマネーサプライ(拡大M3)は、4月に前年同月比0.1%減と、3カ月連続のマイナスを記録しています。欧州銀行が銀行への資金供給を渋る姿勢が続くようであれば、すでに縮小を始めているマネーサプライがさらに大きく縮小することも考えられます。

 為替市場ではユーロ安に歯止めがかからない状況です。為替市場は、ギリシャを始めとするPIIGS諸国のデフォルト懸念だけでなく、資金制約を背景としたユーロ圏経済の縮小を織り込んでいるのかもしれません。

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