株の玉手箱 相場の本質を知ろう




 皆さん、こんばんは。
 あすなろ投資顧問の藤井勝行です。


 私は証券業界に身を置きまして今年で28年目となりました。過去のバブル崩壊直後からスタートした私の株式相場と関わる人生の中で感じた事を綴って行こうと思いますので、皆さんのご参考となれば幸甚です。宜しくお願いいたします。


 私は新卒で1991年4月に今はなき山一證券に入社して個人営業に携わりました。新人研修を終え、5月1日に支店に配属された時の日経平均は【26,489円】でした。
 当時は1989年12月29日に日経平均株価は終値で【38,915円】の史上最高値を記録しており、株価は下がり始めていましたが、いずれまた回復してくると思い、希望と夢を抱きながら新規のお客様を開拓する毎日でした。

 また周りの先輩や山一としての相場見通しも強気一辺倒で、ドンドン株価が下落して行くとは思いもしなかったのです。

 相場は悪い中でも、私は今では誰もが知っているユニクロ(9983)、ソフトバンク(9984)、ヤフー(4689)などの銘柄の新規上場から推奨し、顧客に儲けて頂きました。


「逆境は全ての生物の進歩と発想の原点である」

と唱える有名な支店長もおり【人の山一】と言われる所以でもあり、人材教育に関しても層が厚く優秀な方が本当に多いと感じました。


 その後1996年4月営業主任として大阪の支店に転勤になりました。
 その時の日経平均は【21,560円】。

 入社5年が過ぎても株価の下落基調は続き、市場参加者や出来高も毎年減っていきました。
 その頃は「リストラ」と言う文字が毎日のように紙面を飾っていました。


 そして遂に山一證券が自主廃業を発表した最初の取引日(1997/11/25)の日経平均は【15,867円】前日比854円安と暴落し、山一ショックが起きました。

 まさか、自分の会社が無くなるとは思いませんでした。


 その後私は、山一の在職中から機関投資家向けのセールスを担当したいと思っていましたので、プロ同志の真剣勝負の相場に携わる道に進みました。
 銀行系・外資系証券で約10年間は機関投資家向けの株式セールスを担当しました。

 そこでは業績重視のファンダメンタルを軸に銘柄を推奨していましたが、なかなか相場に勝てない現実に突き当りました。

 そこで何度か過去挫折したテクニカル分析に力を入れて相場の本質を勉強しました。テクニカルを探求して行くうちにファンダメンタル分析では説明のつかない相場の不思議さに何度も遭遇しました。


これが【相場の本質を知る】第一歩でした。


 よくあることですが業績は好調で割高感もない、配当もそこそこあり、流動性もあるのに持っている銘柄の株価は上がらないということがあります。それは『相場とは何か』、『相場の本質はどのようなものなのか』と言う事を理解せずに銘柄選択をしてマーケットに入っているからなかなか儲からないと言うことに気付かないといけません。

 相場が下がって来ると投資判断は買い推奨のままで目標株価は下げる、と言った証券会社のアナリストがいます。彼らは企業内容は詳細まで分析しているのですが相場の分析が無いので思惑通りにならないのですね。


 株式投資の醍醐味は値上がり益の追求です。

【安く買って高く売る】

 実は簡単そうで非常に難しいことなのです。


 ではその安い時はいつなのか、ザラバ中に今が一番安いと思って買ってもその後、株価が下落してなかなか売れずに最後は損して売ったという事はよくあることです。

 そこで問題はその投資家が安い(買い場)と投資判断した理由は何かあるはずです。

 ★もうそろそろ高値からの下落率が大きいから買った
 ★証券会社のレーティングが買い推奨だから買った
 ★利益を上げている友達から「いいよ」と聞いて買った
 ★過去の安値に近づいてきたから買った
 ★SNSを見て影響力がある人が呟いたから買った
 ★値動きだけを見て上がって来たから買った
 ★前に買って儲かったから相性がいいので買った

 以上のような理由が考えられますが、そこには相場の分析はありません。


 株式市場に入るにはそれなりの気構えと資金が必要です。いくら資金があったとしても命の次に大事なお金です。株式投資だけは安易に大事なお金を投入する投資家があまりにも多いのです。


株式投資は欲の塊がうずめく市場です。

 相場の本質をしっかり理解して、楽しく相場と付き合う方法を今後はお伝えして行きたいと思います。

 決して難しい事ではありません。高度な高等数学を使う必要もありません。

 現在の相場を受け入れる素直な気持ちと、少しばかりの探究心で楽しく株式投資が出来るようになりますので、その方法や相場の考え方をお伝えしていきます。

 是非楽しみにしていてください。


(あすなろ産業調査部 藤井勝行)

[藤井勝行氏プロフィール]
 1991年中央大卒業後、山一證券で個人営業を担当。その後国内外の証券会社で機関投資家向けに日本株式セールスを担当、独自のファンダメンタル・チャート分析に定評がある。経済専門新聞や週刊誌、国内外情報ベンダー等に市況コメントを掲載し株式セミナー講師としても活躍。相場の本質を伝えることをモットーとする。

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(提供情報はあくまでも情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘及び、売買指示ではございません。株式投資には価格の変動等によって損失が生じるおそれがあることをご理解の上、投資にあたっての最終判断はご自身の判断にてお願い致します。信頼できると思われる各種情報、データに基づいて作成しておりますが、その正確性及び安全性を保証するものではありません。)


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株の玉手箱 老後資産1億円達成への相場道#2




〜株式投資において欠かせない基礎知識〜


 皆さん、こんばんは。
 あすなろ投資顧問の加藤です。

 前回に続いて株式投資において最低限知っておきたい市場のアノマリーや相場サイクル、リスク指標、そして銘柄選択の極意について考えてみたいと思います。


■株式投資における長期投資の幻想を捨ててみる


 株式投資するにあたり、ここでは日本株を前提に話していきますが、まず投資対象とした銘柄が『必ずしも右肩上がりの長期上昇トレンドを形成するとは限らない』ことを肝に銘じておく必要があります。

 米国株は長期上昇トレンドを形成していると言えますが、残念ながら日本株は平成のバブル崩壊以降、何度となくITバブルや新興国・資源バブル、アベノミクスなど相場浮上のタイミングは訪れましたが、一貫して上昇トレンドを継続するような銘柄は非常に稀有です。

 パッと思い浮かぶのはキーエンス(6861)、比較的新しめの企業ですがかろうじてインソース(6200)くらいでしょうか。

 長期投資あるいは超長期投資で放ったらかし、持ちっ放しというのは現実的な株式投資ではないと考えています。

 株式投資で資産形成をする上では「変動」することを前提に、一定の投資ルールを設けて、むしろこの「変動」を利用してコツコツと資産を殖やしていく方が現実的でかつ目標達成にも近づきやすくなります。


 では、その一定の投資ルールとは何なのか?
 順番に解説していきたいと思います。


■投資判断する前におさえておきたい基礎知識〜マクロ動向編〜


 まず、株式投資における投資判断のルールを具体的に学ぶ前に、必要最低限の予備知識についてもおさえておきましょう。

 株式市場は不条理のかたまりで、よく先行き不透明感とか言われますが、そもそも政治・経済・地政学どれも不透明なのが当たり前です。相場に長く携わっていたとしても“わからないことだらけ”なのが実際のところです。

 しかし、その中で日々「仮説」を立て、売買をシミュレーションして【ポジションを管理】していくことが投資家に求められるスキルです。

 くれぐれも株価の予想屋、夢想家になってしまわないように気をつけておかないと、株式投資での資産形成はままなりません。

 そこで、今の環境下で株式投資をされる方には良くも悪くも、世界の中心たるアメリカの鼓動を感じ取ってそれに合わせていくということが求められますし、それが第一歩になります。

 インターネットが普及して、世界が情報でつながった今、資金の移動や情報(フェイクニュース含む)伝達が瞬時に行われ、名目GDP20兆ドルで世界最大の経済規模を誇るアメリカの景気・相場変動がそのまま日本株に影響を及ぼします。

 そんなことは知っているよ、という投資家の方は多いと思いますが、さて現在の景気は良いのでしょうか、それとも悪いのでしょうか?

 株式投資の判断で最優先しなければならないことは現状把握です。

 これをすっ飛ばして闇雲に投資元本を全て突っ込むだとか、銘柄をそれとはなしに選んで投資するというのは勇敢を通り越して「無謀な取引」と言わざるを得ません。


 はじめにおさえておかなければならないのは“中央銀行の見通し”です。

 何も難しいことはありません。米国のFRB(日本でいう日銀)が現状についてどう言及し、どういう方向に経済をもっていこうとしているかを知ることです。

 つまり、FRBや日銀が「景気が良くなる」あるいは「緩やかに拡大している」と言えば株価は上を向いているすなわち上昇トレンドだと判断できます。

 この中央銀行というのはそれぞれの国の全てのデータを網羅し、誰よりも早く知ることができて、実際に政策を実行する権力を有する機関であるということは忘れてはなりません。

 かのトランプ米大統領もFRBの金融政策についてあれこれ批判していますが、米大統領であってもこの政策決定をゆがめる権限までは持ち合わせていないのが現状です。

 「米連邦準備制度理事会(FRB)には逆らうな」という相場格言は、株式市場で最も一般的に言われていることです。もしかすると「Sell in May(株は5月に売れ)」のようなアノマリーに則った格言よりも優先しておくべきものでしょう。

 昨晩の9月FOMC議事録では「経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まり、貿易政策に関する不透明感や海外情勢に起因するものが顕著だというのが、参加者の全般的な判断だ」と記述されています。

 ただし、そこから10/8段階ではパウエル米FRB議長は全米エコノミスト協会の会合における講演で金融政策の追加利下げには明言しなかったものの、経済見通しは引き続き好ましい状態にあるとの認識を示し、成長継続のシナリオが「最も公算が高い」と述べています。

 10月のFOMCが控えている中で市場の利下げ期待と、米国経済指標の強い結果が得られた反面、EUや中国といった外部環境をふまえて迷っているところが本音なのでしょう。

 また、9月FOMC議事録では短期債市場における金利急上昇をうけて緊急の流動性供給に迫られたこともあり、もっと恒久的な資金供給プログラム(量的緩和)についても協議したとされています。

 では次に、この金利が株式市場にどのような影響を及ぼすのかということも知っておきましょう。

 このFRBの金融政策つまり“金利”というツールを用いた成長力をコントロールすることが、景気を拡大あるいは抑制させることに直接的に作用し、経済に最も影響を与える10年国債の利回りを誘導しています。

 この10年国債利回りというのは住宅や自動車などのローン金利の前提となり、世界最大を誇るアメリカのGDP、さらにこれの7割を占めている個人消費に直接的に影響を及ぼすこととなるわけです。

 したがって、株価の上昇は経済成長率>10年国債利回りによって裏付けられ、逆説的に成長率を上回る長期金利の上昇には株価は耐えられなくなり、結果として暴落を引き起こします。

 早い話、これが昨年2月の株式市場が急落した根源的な要因であったことからも証明済みです。


 これが理解できれば、簡単なマクロ判断のポイントはほぼおさえたと思っていただければよく、あとは定期的に「成長率」・「金利」・「雇用」・「物価」・「景気」それぞれの経済指標をチェックして10年国債利回りがどのように変動するのかを監視しておけばよいわけです。

 あとは米国株式市場の動向について、これも一般的にNYダウと呼ばれる工業株30種をチェックされている方が多いかと思いますが、マクロの判断材料としてみるのであればそれではなくダウ輸送株20種に目を向けるということを覚えておくとよいかと思います。

 なぜならば、「景気」というのが売買や取引などの経済活動全般の動向と定義され、つまりモノの価格と数量が動きによって決まってくるからです。すなわち、物流の動きを捉えることに他なりませんので鉄道や陸運、空運、海運などに反映されると考える必要があるのです。


■銘柄選定の前におさえておきたい基礎知識〜相場サイクル編〜


 上記のダウ輸送株指数はいわば先行指標とも言い換えられるもので、株式市場における先行業種や個別銘柄の動向、さらに商品市況といったものはこのダウ輸送株指数の変化にしたがって順次変化を見せることを知っておくだけでも先行き判断の大きな助けとなることでしょう。

 先行指標の話になりましたので、先行業種の話もついでにしておきましょう。相場には循環があり、金融相場、業績相場といった市場の特性が変わることが度々あります。

 この相場が形成される波動は実際の景気の山と谷とは必ずしも一致せず、むしろ株価が景気に先行すると言われています。私の認識ではおよそ8〜10か月ほど株価が先行して動くと考えています。

 では、この相場の初動を捉える上では何に注目しておけばよいのかと言えば、それが先行業種になるわけです。相場を先読みする上ではこれが非常に重要で、実際の投資では見落としてはならないものだとお分かりいただけるでしょう。

 専門用語ではこれを“ディープ・シクリカル”と言ったりするのですが、この代表的なものが“半導体”です。現代のテクノロジーが進化を遂げた社会ではAIやIoTなどの利活用が進むにしたがって、かつてないほどに半導体の持つ高付加価値に注目しなければなりません。

 そして今も昔も変わらず先行業種となるのは“素材”です。銅やニッケル、アルミニウムといった三大非鉄に加えて鉛や亜鉛といった金属、さらに鉄スクラップ価格などに目配せすると今後相場がどこに向かおうとしているのかが見えてくるようになります。

 これは経済構造を考えれば明白で、一にも二にも最初に動き出すのは原材料(商品)であり、その次に機械と続いて完成品を流通させる商社や運輸、さらに素材・部品メーカーといった順序を辿って物流の影響が派生していきます。

 ですから、旬の相場をとらえる上では高値を取ってきた銘柄の順番などをおさえておく必要があり、今年で言うと東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)などは早々に2月には昨年10月の株価水準を更新し、信越化学(4063)などは4月、日経平均やTOPIXにいたっては未だ回復すらできていません。

 したがって、上昇銘柄や旬の銘柄を探す上でも相場の循環を意識することは非常に有用となりますので絶対に覚えておいた方がよいと思います。

 私は半導体→非鉄金属ときて足元は米中通商問題で機械が不振でしたので後回しで化学などの素材に注目し、そして今ちょうど機械が良くなってくるところとみています。

 最近では商品市況でニッケル、鉛の価格が上昇し始めてきています。自動車関連の設備投資需要が復活の兆しなのでしょう。フェロニッケルを手がける日本冶金工業(5480)や大平洋金属(5541)、そして田中化学研究所
(4080)などがいずれ株価の戻り鮮明となってくることでしょう。

 それに、これからでも投資していけそうな出遅れ銘柄はまだまだ沢山ありますし、目先のトレード対象としては非鉄のイリジウムに強みを持っているフルヤ金属(7826)や機械の精密金型を手掛けている黒田精工(7726)などをターゲットにしておくと面白いのではないかと思います。


 今回はこのあたりで、次回は企業の分析や相場の需給分析あとはリスク指標などにも焦点を当ててお話できればと思います。

 お楽しみに!


(あすなろ産業調査部 加藤あきら)

[加藤あきら氏プロフィール]
 国内・外資の大手金融機関で経験を積んだのち、あすなろ投資顧問に在籍。
 市場動向分析、市場心理分析、チャートだけでは語らない「大局的な視野」を持ち日々銘柄を分析する。顧客に寄り添うアドバイスに定評がある。

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株の玉手箱 老後資産1億円達成への相場道#1 〜資産形成に株式投資は必要か?〜




 皆さん、はじめまして。

 あすなろ投資顧問の加藤です。

 これから株式投資において知っておきたい重要な部分を厳選してお届けしていきたいと思いますので、どうぞ最後までお読みいただけますと幸いです。


 さて、最初は株式投資において初歩的な、しかし最も重要なところからお話していきたいと思います。


■長期的な運用計画と短期的な運用戦略を組み立てる

 これまで築き上げてきた資産を運用する(お金に働いてもらう)上で、まず初めに必ずしておきたいことは“生涯資産の運用計画を考える”ことです。

 一にも二にもこの運用計画がなければ何も始まりません。
 1年単位、3年単位、そして10年単位での計画を立てる必要があり、これは実際に投資対象となる企業も経済活動をしていく中でこれらに基づいた経営戦略を開示しているからです。
 企業は基本的に1年間における決算と3〜5年の中期経営計画、そして10年単位での長期ビジョンを持っています。
 また、マーケットの潮目が10年単位で変化が起きやすいというアノマリーも記憶の片隅に意識しておくべきといった観点からも重要になってきます。
 投資歴が10年を超えるベテランの方々でも計画を曖昧にされている方も少なくないかもしれませんが。

 最近、年金2000万円不足問題がクローズアップされました。
 これは何十年も前から言われてきたことで今更驚きもしませんが、ただ、本当のところ一体、老後にはいくらくらいが必要なのか考えたことはあるでしょうか?
 近年ではファイナンシャルプランナーが独立したIFAとして活動しているという話もよく聞きますし、保険の見直しの際に人生のライフプランなどを考えたという方もおそらくいらっしゃることでしょう。

 上記の2000万円問題を一般的な世帯モデルとして考えた場合、65歳に定年を迎え平均余命まで約20年間生きたと仮定して、必要となる生活費などを概算すると最低でも2000万円は用意しておかなければならないということになります。
 しかし、2000万円を20年という期間でみると、1年間に使えるお金はたったの100万円です。しかもこれは必要経費なわけですから、ゆとりのある老後を考えたらおそらく3000〜5000万円は必要でしょう。
 いやいや、それでも老人ホームに入居したり悠々自適に暮らすことを考えると年間500万円(月々40万円)、となると総額1億円は用意しておきたい・・・という考えは極端に現実離れした発想とは言えないでしょう。


■資産1億円達成のための選択肢を考えてみる

 これを65歳までの間にどれくらい現実的に“資産づくり”していくかというのが問題なのです。

 いわばこの「お金の問題を解決」することができるのであれば、別に「株式投資」でなくとも良いわけで、若い方なら副業も合わせてがむしゃらに働きながらコツコツと節約生活をしていくでも、不動産投資で不労所得を得るでも、はたまた代々受け継いできた相続財産があるとか何でも良いでしょう。
 解決さえできればいかなる方法であっても良いわけです。

 ここで、肝に銘じておかなければならないことはこの「お金の問題は必ず現実として降りかかってくる」ということ、しかも「資産を積み上げることには時間がかかる」ということです。

 金融の世界では「資産=元本×利回り×時間」という絶対的な公式が存在します。
 後述しますが、運用計画あるいは投資戦略を立てる上では「元本」、「利回り」だけでなく、この「時間」の概念もおさえておくことが非常に重要になってくるのです。

 順番に考えていきましょう。

 例えば20代の若年層であれば「元本」はせいぜい用意できて100万円〜200万円、仮に100万円から運用を開始して定年までの「40年間」にそれを30〜50倍にしていかなければなりません。
 それでは40代の方であればどうでしょう。
 「元本」は500万円用意できるとして、運用期間はその分短くなりますから「20年間」で6〜10倍に殖やすことを目標にすればよいということになります。
 老年層は「元本」1000万円、退職金を受け取って2000万円ご用意できる方などは悠長な時間はあまり無く、これを取り崩しながらおおよそ2倍に殖やすことを目標とすればよいでしょう。


■株式投資で資産1億円を達成する具体的な道程

 これを株式投資で実現していくために必要な「利回り」はどのくらいでしょうか?

 機関投資家のファンド運用目標を例にとって考えてみましょう。
 例えば年率20%で資産運用した場合を考えていきますと、「元本100万円」が「20%複利」で3000万円を達成するのは「19年後」です。
 5000万円の場合は「22年後」、ちなみに1億円の場合は「26年」かかります。
 40代の「元本500万円」でしたら同じ「20%複利」の同じ条件で3000万円達成に要する期間は「10年」、5000万円達成の場合は「13年」、ちなみに1億円達成の場合は「17年」かかります。

 60代の「元本1000万円」であればだいたい「6年」で3000万円、「9年」で5000万円になります。ただし、年齢的には収入も無くなってくるかもしれませんので、元本から取り崩しが必要になる場合にはその分達成時期も後ズレすることになります。

 そうして考えた場合に、利回りは年率20%と言わず高ければ高いほど達成までの期間が短縮できることとなりますが、実は平均して年率20%を複利で儲け続けることは案外難しいものです。

 そこでお金の不安から逃れ、自分なりの運用計画を現実のものにしていくための具体的な手法が必要になってきます。


■株式投資は小難しい専門用語がたくさん!しかし本当に必要なことは限られている

 株式投資における最大の関門は何だと思いますか?

 国際政治、マクロ経済、資本市場の分析、企業の財務分析さらに証券分析、ポートフォリオ・マネジメントなど勉強しなければならないことがたくさんあってどこから手をつけてよいのか分からない、途中で挫折してしまう、そんな恨めしい声が聞こえてきそうです。

 しかし、それほど悲観する必要はありません。
 株式投資で利益をあげるために必要なことは限られていて、順番に理解を深めていけば自然と知識が雪だるま式に増えていくようになります。


 次回号からは知っておきたいマーケット・アノマリーや相場サイクル、リスク指標、そして銘柄選択の極意などをいろいろとお話していきたいと思います。

 ぜひ今後もお楽しみに!


(あすなろ産業調査部 加藤あきら)

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