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急騰後の調整は狙い目か



〜直近人気化した2銘柄の投資タイミング〜


 新元号・令和の発表とともにストップ高を演じた株がある。
 イベント、展示会、テレビCM等の企画・映像制作・編集を行う令ならぬレイ(4317)だ。

 レイは同日の元号発表時に合わせて想定外の業績の上方修正を発表。4月15日に発表予定の前2月期決算を期初経常利益予想6億円から8.82億円に上方修正したのが4月1日の午後。

 EPSを27.2円から42.5円へと上方修正し配当も6円から8円に増配したことで1日の後場から急騰を開始した。売上が減収に下方修正される中でコスト削減に成功し、利益を大幅に上方修正した点で注目されたのか、昨年1月の高値1125円(300円〜400円で推移してきた銘柄が3〜4倍まで投機的に急騰)から12月25日の安値245円まで8割も下落した後なので自然体で買いが入ったのかは定かではないが、急騰開始の初日は375円高値に対して終値は339円で比較的穏健な終わり方だったが、その翌日は419円(時価総額60億円)のストップ高。比例配分狙いも含めて656万株(発行済み株式の46%)の買い物を残して終え、その翌日には498円の高値まで買い進まれた。


 令和(れいわ)の語呂合わせで人気が出たというのは穿った見方かも知れませんが、ストップ高銘柄に乗った投資家が多かったという見方もできる。1年以上も値下がりを続けてきて放置されてきた銘柄の業績上方修正を好感した買い人気というのが本当のところだろう。

 だからと言ってここまでの人気集中は驚きとしか言いようがない。
 問題は15日に発表される今2月期の業績なのだが、前期が良すぎたなら反動減もありうるがこれは何とも言えない。今期はオリンピック開催のタイミング直前。CM制作は繁忙期を迎えるに違いない。その後もまた消費税増税後の消費低迷時期にCM販促は不可欠と投資家の勝手な期待は膨らむ。

 残念ながら短期間に高値をつけた後の株価は調整傾向が見られるが、このパターンは良くあること。

 同社株の安値は昨年12月25日の245円。300円以下で買うチャンスがあったのですから、いくら上方修正されたからと言って、今期がまだ不透明な段階で450円以上も出して買えないという投資家心理が働く。
 安く買った投資家に安く売った投資家、双方ともに思いがあっての売買。
 出来高が4月1日から本日までの6日間で1371万株、浮動株の5倍以上となったことが意味するのは果たして何か?


 短期投資家の多くは出来高が増えた銘柄につこうとして高値での買いを敢行します。こんな手法を重ねながらも成果を高める結果となればとは思いますが、この場合の売買はなかなか難しいものです。

 人気化した短期急騰後の銘柄にいかに取り組むかは多くの投資家の関心事。
 創薬ベンチャーも含めて個別材料銘柄が人気化したあとの調整場面での対応を間違えないことが成果を高める秘訣かも知れません。


 このほか4月1日にストップ高を演じたのがアクセル(6730)だ。
 株価が上場以来、良いとこなしで下落歩調を辿ってきたアクセル株への関心は創薬ベンチャーと似た感覚、つまり研究開発型で業績赤字という点で同類項。

 この株も12月25日に404円まで株価下落。今期業績の赤字拡大が背景にはなっているとしても、良好な資産内容と新製品開発の進展などを鑑みると売られ過ぎという感触が強かった。
 そうした中、今回ようやくNEDOの公募した「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目〔1〕革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」事業に採択されたとの発表が3月29日にあり、その日の終値が552円のストップ高で大量の買いを残して終えたのに続き、4月1日もまた一時ストップ高を演じるなど人気化が見られました。
 残念ながらこれもまた、短期急騰後の高値から調整のパターンを描き、本日は535円まで下落。1日の買い物を残した水準を下回ってきた。


 すべては結果論の世界だが、短期人気化後の展開は多くは一定水準までの下落トレンドを辿るお決まりのパターン。短期の材料に飛びつき、駄目なら飛び下りるというパターンでは成果を上げにくいというのが筆者の率直な意見。

 但し、こうした変動パターンの銘柄を持った投資家はこうした変動パターンの後に企業側から発信されるリリースに関心を持ちながら再度の人気化を待っていると考えられる。流動性(出来高)が高水準で維持されたままなら、再度の人気化のタイミングを待つことにしよう。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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